新空港線(蒲蒲線)は即刻中止を!
総事業費が1080億円から1800億円以上と2倍以上に!
新空港線(蒲蒲線)はこれまで事業費 約1080億円という事業採算性の試算結果が出されました。年26億円の利益で、黒字転換は24年となっていましたが、今回、国土交通省が公表したものですが国土交通省がはじいた新空港線の総事業費は矢口の渡しから大鳥居区間4キロで1800億円。矢口の渡しから京急蒲田1.7キロで1300億円となっています。大きな大田区の変更はフリーゲージトレイン方式です。これまでの東急蒲田地下駅で同一ホームで乗り換え計画でしたが京急蒲田地下駅で直通方式に変更です。しかし、フリーゲージトレインは現在、開発段階で頓挫しています。試験段階で部品の不具合がみつかりました。しかも国土交通省にレクチャーを受けましたが、フリーゲージトレインはオーダーメードのために仮に九州新幹線や北陸新幹線で実現できてもすぐに蒲蒲線に採用できるものではないとのことでした。フリーゲージトレインの開発費用などはこの総事業費には入っておらず、一般的な車両として計算され、用地買収も土地工事価格の1.2倍を想定しているために総事業費がこれ以上増える可能性があります。
しかも新空港線は大田区内素通りです。現在、東急東横線は8両または10両編成です。多摩川線の沼部・鵜の木・下丸子・武蔵新田・矢口の渡しのホームでは短すぎて止まらず「区民の役にたたない」と考えます。国土交通省が出しています「鉄道需要分析手法に関するテクニカルレポート」によれば、空港アクセスにおける鉄道経路別交通量の推計にあたっては、大田区からの羽田アクセスサンプルは推定からのぞく」とあります。理由はサービスレベルの設定が困難な地域があるためとなっています。
つまり国は大田区の利便性が上がることを証明することが困難なことを意味していると考えます。つまり無謀な計画にしがみついているということです。
大田区が国交省に確認もせず、都合のいい判断!
では、なぜ大田区が今回の補正予算で新たに基金を積み立てたかというと、国交省が「軌間が異なる路線間の接続方法等の課題があり、さらなる検討が行われることを期待」とあるのを高く評価されたというのです。しかし国交省に確認することもしていない身勝手な態度です。日本共産党、山添拓参議院事務所をとおして国土交通省に確認をしたところ、「『東京圏における今後における都市鉄道のあり方についての答申について』国として優先順位をつけたものではない」との回答がありました。また、4月20日の交通政策審議会の鉄道部会「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」の議事録では、そこではこう書かれています。「ブロジェクトの優先順位を明示すべきであるというご指摘も頂いておりますが、優先順位をつけることではなく課題を記述することが適当だというのが当委員会の考えであるというふうに整理させていただいた」とあります。大田区の一方的な解釈であるといわざるをえません。強引に進めてきた積立基金は約30億円となりました。
ひそかに下丸子駅も停車に変更!
大田区が出しているチラシには下丸子に停車するかのように描いています。
そして概算事業費1080億円で国交省の1800億円とは違います。また、経済波及効果については約1400億円と関西大学の宮本教授の算出を載せています。しかし、宮本教授が算出した根拠のデーターは東京都全体の結果から大田区を按分しただけです。
さらに沿線のまちづくり推進とありますが、多摩川線のほとんどを通過する直通運転で多摩川線沿線が発展するでしょうか。
東京都は優先路線から除外!
東京都の姿勢は昨年の7月に公表した広域交通ネットワーク計画についての検討のまとめの中で蒲蒲線は優先路線に入らないという消極的な姿勢です。
これでは東京都の協力を得られず、大田区の負担が大幅に増える可能性もあります。一自治体で行うものではありません。区が取り組むべきは、待機児解消や医療・介護支援など区民の暮らしを支え応援する予算を組むことです。新空港線の巨額の積み立ては区民へのしわ寄せ、サービス低下を招くことは明らかであります。白紙撤回を求めます。