陳情討論
大田区議会では 区民の切実な要求の陳・請願が自民・公明など与党によってほとんど否決されています 。 本当は 採択すべきとの私の討論を参考にしていただければ幸いです 。
黒沼良光です。
請願及び 陳情 18 本 について 不採択 との 委員長報告 について採択にすべき との討論を行います 。
地域産業委員会陳情討論
◆3第25号 田園調布 せせらぎ公園の今後の整備に関して協議会の設置を求める陳情は、田園調布せせらぎ公園の今後の施設整備にあたり、公園の貴重な自然環境を守り、地域住民や区民の意志を反映させるため協議会を設置し、十分な協議の上で整備をすすめるよう求める内容です。陳情書にもあるように、また委員会質疑でも明らかになったように、2002年には区が呼びかけた区民の自主活動連絡協議会である「ラケットクラブ跡地整備活用計画検討会」が14回開催され「ラケットクラブ跡地整備活用への提案」が作成され、「今後も区民との協働による整 備や維持管理 を進めていく」「整備活用連絡協議会を設ける」などが提案されました。
このせせらぎ公園を中心とする施設は区民の関心も高く、この間、大田区が行ったワークショップをはじめ区民・地域の住民の皆さんが多数参加し意見を寄せました。現在整備が進んでいる中で、陳情書には芝生広場の水たまりの問題やテナント業者が地元でない事業者が入居する問題等が指摘され、さまざまな意見が出されている中で「地域住民や区民の意志を反映させる」場をつくることは重要です。よって陳情の採択を求めます。
健康福祉委員会(7本)
◆3第3号 生活保護制 度をより豊かなものにするために政府への意見書類提出を求める陳情は、引き下げられた保護基準では、憲法25条で定められている「健康で文化的な最低限度の生活ができる」が保障されていないので、生活保護制度をより豊かにするために国に意見書を上げることを求めています。
理事者からは 、2018年(平成30年)10月から5年に一度の見直し、引き下げが5%にならないよう対応してきたと述べています。他 委員 からも 同様の発言があり、丁寧に対応している、保護を受けとる人受けていない人の公平性がある、しおりに基づいて保護の申請書を交付しているなどの発言があり不採択にしました。また、外国人への生活保護支給は憲法違反 と の意見がありましたが、外国人の方々は 納税者であり 、指摘にあたりません。
しかし、生活扶助費の引き下げは2013年8月から3回にわたって 行われ 、平均6,5%、最大10% も 引き下がっており、2月22日に大阪地裁は、生活保護費の減額処分は違法であるとして処分取り消しの判決を出しました。
日本共産党は、生活保護扶助基準引き下げに一貫して反対、生活保護法 ではなく「生活保障法」 と するよう求めてきました。採択を求めます。
◆3第5号
新型コロナウイルス感染症拡大防止のためPCR検査の公費負担での実施を求める陳情
◆3第11号
子どもや高齢者の感染防止のため、広範で定期的なPCR検査を求める陳情は新型コロナウイルス感染症防止のため介護施設や福祉施設、医療機関、学校などの教育機関、保育園、学童保育などの職員にPCR検査を定期的に公費で行ってほしいというものです。 理事者 からは 、「 医療機関、PCR検査センターで十分受けられている 」 。 「 陽性でも陰性と判断される 」 、 「 無症状の人はPCR検査よりどこまで広がっているかが大切 」 、また 「 高齢者施設では、国の集中的実施計画に東京都が手を挙げた 」 などと答えています が 区は実態を把握していません。
委員からは、PCR検査は必要な人が受けている、 「 安心感与え、かえって感染広げる 」 、 「 検査の体制も拡充している 」 などの発言があり不採択になりました。
コロナ感染症拡大を防止し、区民の命を守るためには、墨田区 のように社会的検査を徹底して繰り返し行 い、昨年 8 月に中学 校で陽性者が出た時、社会的検査をしたら無症状の陽性者が 4 人出たが早期に把握できたので感染拡大を防ぐことができたとのことですが 、新たに新型コロナ感染症患者数が減少した今こそ、PCR検査で封じ込めることです。よって採択を求めます。
◆3第9号
新型コロナウイルス感染症に係る自宅療養者への自宅療養支援セットの配布を求める陳情は新型コロナウイルス感染症患者へのホテルなどの療養施設の確保、自宅療養者へのきめ細かい状況把握と食料配布を始め、24時間相談窓口、マスクなど物資を配布することを求めるものです。理事者の答弁で は、都と連携して14カ所の宿泊施設の確保、自宅療養者への水・食糧の配布、自宅療養者高齢者へのパルスオキシメーターの配布、24時間電話相談が行われていると改善されている報告でした。委員からは、陳情者の思いがかなっている、陽性者が少なくなりホテル空き室が確認されているなどで不採択になりました。
しかし、陳情者は、 区に支援を求めるものであり 、 区民へ周知し、今後は、 陽性者の増加している 大田区として取り組むことを求めます。
◆3第8号 安全安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守るための陳情は、 今後感染症の発生が予想されたときのため、医療介護福祉に十分な財源確保を行うことをはじめ、5項目の趣旨が示されています。委員からは、反対の理由として、8次補正を組んで行っている、保健士の兼務配置行われている、区内の医師、看護師足りているなどの発言がありましたが、新型コロナ感染症拡大の中で保健士不足、医療現場が逼迫していることが明らかになりました。保健士配置は、兼務でなく区が採用して増員することです。また、陳情では、公立公的病院の統合再 編や地域医療構想を見直し、医療体制の充実を求めるとあります。今回、公立公的病院である都立病院、公社病院 が、コロナ患者受け入れで大きな役割を発揮しています。クラスターが発生した特養多摩川、糀谷の感染者が荏原病院で受け入れてもらえたのも公的な機関であるからです。新型コロナウイルス感染症は、喫緊の課題であり、陳情の採択を求めます。
◆3第6号 新型コロナウイルス感染症対策の拡充を緊急に求める陳情
◆3第23号 新型コロナ感染症対策についての陳情は、高齢者施設において定期的にPCR検査を実施することを求めるものです。特に高齢で基礎疾患を抱える施設利用者が重症化しないためにも、根絶させるためにも、利用者、職員全員のPCR検査を定期的に行う 社会的検査 は当然であり、 採択を求めます 。
子ども文教陳情討論
◆3第10号 「小中学校全学年 の35 人学級化」 を 国 と 都 に 働 きかけることを求める陳情は趣旨には、国と都に対して「令和3年度から小学校の35人学級を5年計画で実施する」という国の計画を前倒しして実施するとともに、その範囲を中学校まで拡大することを要請するよ う求めています。
委員会の論議の中では、35人学級を前倒しにするには、教員の確保や教室の確保が難しいとのご意見もありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、学校での密集、密接回避や不安を抱える子ども一人ひとりへの、きめ細かな支援を求められる中、2021年度から15道県が小学校の独自施策を拡充しようとしています。群馬県は小中学校の全学年を対象に35人学級へ拡大します。
35人学級に踏み出す今回の決定をもう一歩推し進めて、5年計画を1年でも早く前倒しにするとともに、対象を中学校まで拡大するよう国と東京都 に強く働きかけて頂きたいとの、この陳情の採択を求めます。
◆3第12号 キッズゾーン の 設置 のための 保育園等近辺 の 危険な道路調査を求める陳情は2019年5月8日、大津市での自動車事故に散歩中の保育園児らが巻き込まれて16人が死傷した、痛ましい事故から、2019年6月18日「未就学児童が日常的に集団で移動する経路の交通安全の確保の徹底について」厚生労働省通達を受けて、緊急安全点検を大田区は同年9月から10月にかけて緊急点検を実施し、129箇所の危険個所を洗い出しました。2020年3月までに、128箇所に対し てガードレールや巻看板や立て看板など対策がなされました。と理事者からの報告がありました。
委員会では、キッズゾーンの必要性は認めるが、陳情者が求める調査は実施済みであり、危険個所の対策も済んでおり、願は満たされているとして、不採択になりました。しかし、陳情者自ら10前後の保育園に電話での聞き取り調査の結果、危険な道路があるかなど調査は受けたことがないとの回答です。としています。2019年の調査以降に新規開設された保育園は多数あります。2021年4月開園予定の私立認可保育園は13園あります。園や保護者から要 望される前に、区として警察と都市基盤整備部と保育園等で協力し、毎年調査し危険個所を是正し、園児の安全確保に努めていくことが求められます。
将来の大田区を担うこどもたちの安全を守るためにも、この陳情の採択を求めます。
◆3第27号 すべてのこどもがすこやかに 育 つ 大田区 をめざす為の請願は
1, コロナ禍での感染リスク防止と、子どもの安全と成長発達を 守るため、①感染予防に必要な消耗品、備品購入の予算を増やしてください。②保育関係者への定期的なPCR検査をしてください。③保育関係者にも慰労金を支給してください。④0~2歳の子育て世帯で、収入が減った世帯に対し、保育料減免措置をしてください。
2, 「0~2歳」の子どもの保育料を無償化にしてください。
3, 保育士の処遇改善と、保育の最低基準の引き上げを求める意見書を国・東京都に上げてください。また、大田区としても、独自に施策を考えてくださいと請願しています。
理事者からは、染予防に必要な消耗品、備品は配備している、不足しているとの声は現場から上がっていない。定期的なPCR検査は考えていない、国の慰労金は子ども分野では対象外としている。保育料の減免措置は実施している。「0~2歳」の子どもの保育料を無償化は非課税世帯に軽減策を実施している。保育園を新規開園しているので保育園不足は改善されているなどとしています。
現場の保育士や保護者などからは、区の対応には不足があるとして、保育現場は狭い面積基準の中で「遊ぶ・食べる・眠る」と言う集団生活が日常での3密を避けることができ ない、感染する危険性もあり、クラスターの危機すら感じているとの実情を訴えています。
また、日本共産党大田区議団の区民アンケートでも保護者においても、職を失ったり、減収に苦しんでいるとの声も上げっています。もっと幅広く、保育料減免措置や「0~2歳」の子どもの保育料の無償化を実施すべきです。更に、新規開園してはいるものの、保育園に入れない状況は取り残されています。待機児ゼロは未解決です。保育士不足についてもアンケートから保育士不足解消をもとめる声も上がっており、保育士の処遇改善は待ったなしです。
何より、9371筆の請願署名に願いが込められていることを重く受け止め。この請願の採択を求めます。
交通陳情討論
◆3 第 16 号「大深度法 に 基 づく リニア 新幹線 の シールド 工事 に 関する陳情」 3 第 17 号「リニア新幹線工事に関する陳情」 は国と JR 東海に対し区議会として意見書の提出 と申し入れ を求めるものです。陳情者の方は昨年 10 月に発生した調布市での道路陥没事故を受けて、外環道工事(大泉 JCT ~東名 JCT )と同様に大深度地下トンネル工事を予定しているリニア新幹線地下トンネル工事に関して、 4 点からなる意見書の提出を求めています。
調布市の陥没事故を受け、リニア新幹線計画ルート直上の住民の多くは不安を抱えています。陳情者が出された 4 点の要望は、住民の切実な要望です。これが受け入れられなければ、リニア工事開始は到底認められないと思います。区内環境への影響も計り知れません。区は 2018 年 8 月 23 日の第 8 回首都圏大深度地下使用協議会で「中央新幹線の路線上の基礎自治体として、区民の安全・安心で快適な生活を保障することが 第一であるため、説明会や公聴会等で区民が懸念している①環境への配慮、②沿線住民および地権者に対して適切な対応を求めさせていただきます」と意見を述べて います。委員会での理事者見解は「赤羽国交大臣が 2 月 12 日の会見で JR 東海は有識者会議の見識を踏まえて工事を進めるとの認識で、スケジュールありきでないとの見解であり、 JR 東海も、工事を行う ルート上にお住まいの方々に予め丁寧に説明し対応すると聞いている」とし、区として要望はしていると述べました、他委員からも「願意は達成されている」から不採択との表明がありましたが、区 の 基本的な立場を踏まえて事業者に対し区議会として意見書を提出すべきであり、陳情の採択を求めます。
◆3第26号 東急多摩川線・池上線 の 日中減便 による 区内 での影響調査と申入れを議会に求める陳情ついて、日本共産党区議団は採択を求めます。
この陳情は、東急電鉄が今年3月13日からダイヤ改正により、東急多摩川線・池上線が日中時間帯に1時間当たり10本から8本に減便されることによる区民への影響の調査と、影響を最小限にするために減便の撤回を求めるものです。
コロナ禍のもとで事業者の減収が理由の減便ですが、今回の委員会 でも京急電鉄が新型コロナウイルス感染の対応を理由にしての減便について、沿線区民への影響は非常に大きいものと考えており、今後は沿線区民の移動利便性の確保に特段の配慮をいただけるよう要望しています。東急の減便も区民への影響が非常に大きいものがあり影響を最小にするために、今回の委員会にも京急電鉄を提出したように、東急電鉄に要望することが必要であり、この陳情の採択を求めます。
空港対策
◆3第19号 新飛行 ルート 騒音 の 追加拠点 の 継続調査 を 国要望することを求める陳情は趣旨は国交省が行っている短期間の追加測定の騒音測定を継続するよう国に要望してくださいというものです。
昨年東京都下水道局東糀谷ポンプ場で航空機短期測定が行われましたが、9月28日、10月2日、10月4日の3日間のみで、大型機は離陸しませんでした。南風が少ない時期であり、各航空会社が減便しているためとのことです。この調査は追加調査としては不十分でした。
区としても国に再調査の要望をするとしています。陳情者の願意は達しています。陳情者の思いを議会として支援するためにも採択を求めます。
◆3第22号 羽田空港増便・新飛行 ルート 被害想定 に 関 する 陳情は
南風時羽田新飛行ルートB 滑走路離陸において川崎石油コンビナート上空飛行で、万が一飛行機の墜落若しくは落下物により石油コンビナートにおいて爆発事故が起きた際に、コンビナートの北側に位置する大田区へも有毒ガス等の被害を受けることが十分に考えられ、大田区として被害の想定を行い、川崎市や神奈川消防本部など周辺に関わる行政機関との連携を図り、早急に避難計画の策定や区民に対してその周知徹底を求めています。
大田区は、大規模事故等対策計画にて、航空機事故等 の対応 、東京空港事務所内に現地対策本部を設置し対応する。東京国際空港外(市街地等)の事故の場合、東京消防庁の大規模災害出場計画等により対応する。関係市町村との連携も図られており、 国は万全な対策を講じており 、 区民への対応も整っている。としていますが、川崎の高圧ガスタンクが爆発すると、破片は2キロ先まで飛散する。浮島エネオスのLPGタンクは大田区から1.3キロメートル、羽田空港が範囲に入ります。
羽田空港には、航空機への燃料搭載設備があり、空港内は火気厳禁です。
昨年12月4日には、 那覇で JALが、先月の2 月21日には デンバーで ユナイテッド航空が、また同日、オランダでは貨物機がエンジントラブルを起こしてエンジン部品を地上にばらまいています。オランダでは落下した金属片で2人が軽傷を負い、複数の車両や家屋にも被害が出るという事態が起こっています。もし、この航空機が羽田空港を飛び立っていたら、川崎でも都心でも、大惨事に巻き込まれる事も想定されます。
日本共産党区議団は羽田空港機能強化・増便・新飛行ルートは中止・撤回を求めます。
区民の命と健康を守る立場から、避難計画の策定並びに住民にたいしてその周知徹底は当然のことであり、周知徹底するには、ハザードマップも必要 で あり、この陳情の採択を求めます。
議運
◆3第7号 陳情 の 取 り 扱 いについて、 従来通 りの 審議 を 区議会 に求める陳情は議会運営委員会で「陳情の取り扱いについて(案)」、11月17日より審議が続いていますが、陳情は、取り扱いを従来通りに審議することを求めるものです。日本共産党区議団は、取り扱いは従来通りとし、制限をせず陳情・請願の件数が多い時は、日程を工夫して審議することを提案しています。
「従来通り陳情審議を行い、区民に寄り添い、区民願いのを実現する議会運営を要望します」に応える大田区議会になるよう、採択を求めます。
◆3第21号 陳情 をいままで 通 り 受付 け、「 区民 の 声 を 聴 く」 区議会を求める陳情は本年第1回定例議会と、第3回定例議会の請願陳情の締め切り回数2回を1回としたことについて、今まで通りの2回 2次まで受付けほしいというものです。
陳情者は、1次付託だけとなったことを「より多くの区民の声を聴くためにきめ細かく周知されるよう要望します」は重要なご指摘です。区掲示板のポスターにも掲示するなどの努力が求められます。
さらに区民からの声を真摯に受け止め、締め切り回数を元に戻すことなど見直しの検討が必要となってきました。
以上のことから本陳情の採択を求めます。
以上で討論とします。